宝物後編1







宝物 後編 1  







「映司。何でもくれるっていたの覚えてるか?」
「うん、覚えてるよ。」

「じゃあその赤っぽい民族衣装みたいな上着をくれ!」

「またどうするの?」
「どうするって俺の自由だろうがっ!!」
「それに服って言ったら、着るしかね〜だろうがよっ!!」


「着るねぇ〜」

「何ぬかしてんだよ。普通考えれば分かることだろうが!」


「本当に着るの?」
「・・・うるせっ!早く寄こせよ!」




「またこのパターン?!」




「いいから寄こせ!」
「えっ?今?」

「そうだよ。なんか文句あんのか?あぁ〜?」



「アンクは真っ赤が似合うし、左の腕のシャツが赤いのが似合うんだしな〜。」

「それに髪型とマッチングしていて、いいと思うけど。そのままで・・・。」

「だぁ〜〜〜〜ごちゃごちゃぬかすな!」

「俺は気に入ったら手に入れるって、また言わすな!!」




「じゃあ欲しいって言って?」

「はぁ?!」

「欲しいんでしょう?じゃあ一言言ってもらわないとあげる側としても満足できないし?」



くっそ〜何だこの余裕の笑みは?
ムカつくがかっこいい。またそれがムカつく!!




「言えばいいんだな?言えば!」


喉から手が出るほど欲しいが、なんか意地悪くね〜か?
そう思うのは俺だけか?ちくしょ〜一言だ。

一言言えばいいんだよ。俺!!

全く清水の舞台から飛び降りる気分だぜ!!3・2・1!

「欲しいんだよ!!これでいいか?!」

「はい、大変よくできました。」

「もう夏だから今あげてもいいけど、クスシクスに戻ってからねっ!!」

「今日、定休日だし!」



こいつ俺のことおちょくってんのか?欲しいって言った言葉(恥を捨ててまで)が、
無駄になったんじゃね〜か?
本当はくれないとか?

いや、映司ならちゃんとくれるか!約束破ったことねーもんなこいつ。
でもなんで定休日と関係があるんだ?理解不能だ。

まあこいつのことだから、何も考えずに言ったに違いない。



おっと、話がそれてしまった・・・

そうそう、映司があの服気に入ってるのか、よく着ているから洗われる前に
GETしようという作戦なのだ。
映司の香りつきだぞ?!これはよだれもんのおいしいコレクションじゃないか!!
ジッパーの付いた袋行きだな!!




俺ってもしかしてかなり変態?
マニアック?
キツイ男?

でも、映司限定だから大丈夫でしょう?!

えっ?それがやばいって?気にしな〜い。
俺だから許される行為だよ。これは・・・。




「そういえばそうだよな!!映司!お前パンツさえあればいいんだもんな?!」

「違〜う。違うね。そこにちゃんと少しのお金があれば生きていけるって言ったほうが、お茶の間の皆さんから好感度上がるでしょう?」

「お茶の間って誰だよ!!ホント変わったこと言うよな、お前。」

「ってかお前意外と腹黒いな。いや、計算映司だな。好感度なんて。」





「いや〜〜〜腹黒、腹黒〜〜近寄らないで〜〜(笑)」


「腹黒がうつるよ〜〜!!」


と、言いながらアンクは走って行ってしまった。




「腹黒じゃないよ〜」


と叫びながら公園を突っ切り、映司は追いかけて
アンクの腕を取って言った。



「俺はピュアで通ってるし?実際そうだし?」

「アンクみたいのが腹黒って言うんだよ?全く分かってないなぁ〜自覚ないの?」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「腕をはなしやがれ!!いつまで捕まえてるつもりなんだよ!!」



ドキンッドキンッ



腕をつかまれているところから熱くなってきている。ヤバイ!!

近すぎて心臓の音が聞こえてしまうのではないかって心配になる。

でもこの胸の高鳴りを知られては終わりだ。きっと今の俺の顔は赤くなっているだろう。

俺をこんなに好きにさせておいてじゃれてるだけなんて・・・俺は・・・俺は・・・。

そうだ!!知られてはまずいんだった。鈍くさそうに見えて意外に勘が鋭いからな!

どうにかしないと・・・でも・・・って!!!




「う〜〜きしょい!!」

「もっと違う言い方があるでしょうに!今グサッってきたよ?」

「こさしとけ!」

「それに俺は腹黒じゃね〜正直なだけだ。」

「ん〜〜的を得てるけど、でも根性もひん曲がってるよね?」

「何だと言わせておけば・・・」




と、会話を続けているうちにあっという間にクスクシスに到着〜〜!!




「おい。本当にその民族らしき衣裳くれるんだよな?」

「うん。あげる。その代わりに条件があるんだけどね。」

「条件だと!聞いてないし、無償でくれるんだろう?」

「でも俺、この服気に入ってるから条件のんで?」




やっぱり気にいってたのか!俺の目に狂いはないな。
さすが俺!

条件って言ってもあいつのことだから、金がなくてアイスをひかえろっ!
とかに決まってる。ほかに考えられることないしな。

や、コアメダルを何枚か渡せかも・・・。
それは困る。映司のサポートができなくなるじゃないか!
絶対だめだ!!

戦っている映司かっこいいなぁ〜とか思ったり、2人で戦ってる感じが
しないではないか!

コアメダルか?カマを掛けてみようとするか!!